1.シンボルの表示の方法と効果:
1.シンボル:
人間とシンボルとの最初の出あいは、先史時代における自己を表示するもの、自己を他と区別するための部族のシンボルと、私的所有権を示すシンボルとでありました。
部族のしるしは、ある動物が自分たちの先祖であるとする信仰と結びつき、自分に代るべきものとして、自分をシンボライズするという方法となり、自己の所有権を示すものとしても使われた。
このようなことは文字以前の記号であって、文字と呼ばれるためにはこれらの図形に一定の意味があたえられなければならない。意味があたえられるということは自分たち以外のものとの約束と理解ができるということです。
意味が与えられた多くの図形は、文字としてシンボルとしてコミニュケーションの働きに利用されるようになっていった。一方、部族標識としての図形の認知は、姓を印るすものとして造形されていき、紋章として権力者のシンボルとなっていった。シンボルを特徴づけているものは人間の知恵と言えます。
2.サイン:
ある徴候(きざし)をみるとその連想として浮かび上がってくる事柄がある。街路がぬれていれば雨が降ったことがわかります。傷ついた人をみれば以前事故にあったのではないかと想像する事が出来ます。暁は日の出の前ぶれであるというように、サインには自然的なものと人為的なものとがあるのです。
自然的なサインは、人間をとり囲む宇宙が人間に生活の知恵としてさずけた各種の条件に対する反射的な知恵である。人為的なものでは社会秩序のための各種の標識類です。
最も原始的な記号である矢印は、方向指示の適格なサインとして今日でも使われている。生活の中での反射的行動に視覚的な形態をあたえることでサインとしての約束を作ることができます。広告物としてのサインは購買時点での選択をたすける条件反射をつくりだすために大衆に働きかけるシンボルなのです。
3.ロゴタイプ:
活字による印刷は文字がひとつずつに分かれていて、それらの文字をいろいろと組み合わせることによって語や文をつくることが特色ですが、頻出する文字の組合わせなどについてはあらかじめひとつに組合わされた文字をつくっておく。このような合成活字のことをロゴタイプと呼びます。
また、広告などで繰返し使われる企業名や製品名をひとつのスタイルによって統一したものとして特殊に文字のデザインがなされたものをロゴタイプと呼んでいます。
ロゴタイプを制作するにあたっては、次のような注意点があります。
1)企業や製品のイメージが理解される。
2)印象的であり、記憶に残しやすい。
3)どんなメディアに利用されても充分に効果のあがるもの
ロゴタイプはそれを使用する効果の上で、企業の宣伝に対する統一性、反覆し訴求されることによる親しみの感情、それらを通じて起こる信頼感などが基調となり、シンボリックな意味をもちます。
ロゴタイプの製作にあたって個々に企画立案される例と、同一企業から表示される製品名ロゴタイプの例があげられる。後者の例は企業イメージの統一性を考慮して、専用のタイプフェイスをつくり、その組合わせによる標準化を行うことにより、作業の能率化を促進できるようにしました。
4.トレードマーク:
同じ会社が数種類の製品を造り、これらの製品の種類を識別するためにつくられたマーク、つまり商標のことをブランド・マークといいます。このブランド・マークが法的手続きをへて登記されたものをトレード・マークとよび、登録商標といわれているものなのです。
トレード・マークをデザインするにあたっては、次の諸点に留意すること。
1)他社との類似を避け、明確な形態的個性をもつこと。
2)企業のイメージを表現すること。
3)どんなメディアにも使用できること。
4)作図法を示しておくこと。
5)社色との関係を定めておくこと。
6)表現上のバリエーションを示しておくこと。
7)縮小の限界を定めておくこと。
8)パターンの表現を示しておくこと。
9)ポジとネガについて、ネガの際の扱い方を示しておくこと。
5.アイソタイプ:
ウィーンのオットー・ノイラート氏の創案になる国際的な記号言語。1920年代に2,000以上の記号を含む視覚辞典を作成、一種の視覚言語とその文法を説いた。
アイソタイプの利用によって1930年代以後の展示形式が大きな変革をうけた。
最近では絵本をはじめとして教科書や百科事典など、事実や知識の理解を視覚化する方法として広く利用されている。アイソタイプISOTYPE International System Of ?Typographic Picture Education の略である。
6.ピクトグラム:
ピクトグラムは絵文字、象形文字のことを指し、視覚伝達記号として古代における文字の発生を促す契機をもったものであったが、現代においては異文化交流をはじめとする国際化に対するものとして、また、その伝達機能の速度が求めれられるものとして活用価値の高さが認識され、その応用範囲も広い。ピクトグラムは単体の絵文字、絵による表示を指す。
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